Journal

Stories, ideas, and field notes from T2.

Takumi Ishiyama

JAPAN NOTS

Running Through Hidden Japan

日本を訪れるランナーが東京の街を走る光景は珍しくない。
皇居の周回コースのような都市部のランニングルートには多くの国内外のランナーが集まり、
トレイルランナーであれば高尾山のようなメジャーで、安全性の高い山域を訪れることも多い。
しかし日本にはそうした定番の場所のほんの少し外側に足先を向けると、
走ることで出会える街と風景、そして営みを知ることができる。
『JAPAN NOTS』は、ランニングとローカルコミュニティを手がかりに、
まだ広く知られていない「日本」を紹介するフォトストーリーです。
Episode1の舞台は表丹沢の麓に広がる街、秦野。
湧水で知られるこの街では、「水」が人々の営みを形成してきました。
カメラマン・石山匠のレンズを通し秦野の「街」「自然」「コミュニティ」の物語をいくつかの視点から追っていきます。
今回はそのはじまりとなる「街」のストーリーです。

日本を訪れるランナーが東京の街を走る光景は珍しくない。皇居の周回コースのような都市部のランニングルートには多くの国内外のランナーが集まり、トレイルランナーであれば高尾山のようなメジャーで、安全性の高い山域を訪れることも多い。

しかし日本にはそうした定番の場所のほんの少し外側に足先を向けると、走ることで出会える街と風景、そして営みを知ることができる。
『JAPAN NOTS』は、ランニングとローカルコミュニティを手がかりに、まだ広く知られていない「日本」を紹介するフォトストーリーです。

Episode1の舞台は表丹沢の麓に広がる街、秦野。湧水で知られるこの街では、「水」が人々の営みを形成してきました。カメラマン・石山匠のレンズを通し秦野の「街」「自然」「コミュニティ」の物語をいくつかの視点から追っていきます。今回はそのはじまりとなる「街」のストーリーです。

Episode 1 : 秦野

水の街

水とともにある街

東京から70kmほど西へ行くと秦野という街がある。
東京と富士山のちょうど中間に位置する緑豊かな山塊と丘陵に囲まれた盆地だ。
知人のランナーが移住したことをきっかけとして足を運び、その景色と文化の魅力に触れた。

ランナーやハイカーが移住を決める要素とは走破距離やトレイルの高低差、
状態など日常の練習環境で測られるものと思っていた。
しかし私は郊外のこの街でもっと違うものに目を向けるようになっていた。

山々は圧倒的、というより親しみやすさを感じる山並。
そんな山々が扇状に両腕を広げたように広がる丹沢山地と、
そこに連なる渋沢丘陵に抱かれる街が秦野の全景だ。

秦野は豊富な天然の湧水で知られている。
雨や雪が長い年月をかけて地層を通り抜け、磨かれて生まれる水のことだ。

道沿いの小さな水場、静かな住宅街の井戸、
足を止めて補給し気持ちを整えるための場所として存在する。
雨が降り街の中央にある水無川に水が流れるようになると、
そこに暮らす人々は「雨が降ったねぇ」と雨を歓迎する言葉を口にする。
そう、秦野で生活する人々を支えているのは「水」なのだ。

そんな水に魅力を感じ、農業や飲食類の生産に従事する移住組の生産者も多くいるという。

秦野の自然にはどこか寛容さがある。

トレイルは圧倒することなく探索を誘い、水は惜しみなく与えられる。
街と自然が静かに寄り添い、訪れる人は特別な準備もなくその関係の中に入り込むことができる。
単に距離を重ねるためではなく、その土地を体験するために歩き、
走る人にとって秦野は長く心に残る何かを与えてくれるでしょう。
地形に導かれる動きと、水に支えられる思想を。

東京から70kmほど西へ行くと秦野という街がある。東京と富士山のちょうど中間に位置する緑豊かな山塊と丘陵に囲まれた盆地だ。知人のランナーが移住したことをきっかけとして足を運び、その景色と文化の魅力に触れた。

ランナーやハイカーが移住を決める要素とは走破距離やトレイルの高低差、状態など日常の練習環境で測られるものと思っていた。しかし私は郊外のこの街でもっと違うものに目を向けるようになっていた。

山々は圧倒的、というより親しみやすさを感じる山並。そんな山々が扇状に両腕を広げたように広がる丹沢山地と、そこに連なる渋沢丘陵に抱かれる街が秦野の全景だ。

秦野は豊富な天然の湧水で知られている。雨や雪が長い年月をかけて地層を通り抜け、磨かれて生まれる水のことだ。

道沿いの小さな水場、静かな住宅街の井戸、足を止めて補給し気持ちを整えるための場所として存在する。雨が降り街の中央にある水無川に水が流れるようになると、そこに暮らす人々は「雨が降ったねぇ」と雨を歓迎する言葉を口にする。そう、秦野で生活する人々を支えているのは「水」なのだ。

そんな水に魅力を感じ、農業や飲食類の生産に従事する移住組の生産者も多くいるという。

秦野の自然にはどこか寛容さがある。

トレイルは圧倒することなく探索を誘い、水は惜しみなく与えられる。街と自然が静かに寄り添い、訪れる人は特別な準備もなくその関係の中に入り込むことができる。単に距離を重ねるためではなく、その土地を体験するために歩き、走る人にとって秦野は長く心に残る何かを与えてくれるでしょう。
地形に導かれる動きと、水に支えられる思想を。

石山匠

いしやま たくみ。1973年生まれ。東京出身、東京在住。アマチュアフォトグラファー。
クライアントだったカメラメーカーを通じて写真に目覚め、独学で撮影にのめり込む。トレイルランニングの大会オフィシャルフォトグラファーとして活動しながら、詩的な表現で瑞々しいランナーの姿を切り取り続けている。ポートフォリオでもあるInstagramからは、日本のランニングカルチャーとコミュニティの一側面を見ることができる。
https://www.instagram.com/isymtkm/

石山匠

いしやま たくみ。1973年生まれ。
東京出身、東京在住。
アマチュアフォトグラファー。
クライアントだったカメラメーカーを通じて写真に目覚め、独学で撮影にのめり込む。トレイルランニングの大会オフィシャルフォトグラファーとして活動しながら、詩的な表現で瑞々しいランナーの姿を切り取り続けている。ポートフォリオでもあるInstagramからは、日本のランニングカルチャーとコミュニティの一側面を見ることができる。
https://www.instagram.com/isymtkm/


秦野について

秦野は東京の中心部から電車で約1時間、表丹沢の山麓に広がる街です。
丘陵と山の稜線に囲まれた盆地に位置し、
豊富な湧水によって古くから人々の暮らしが支えられてきました。

ランナーにとっては静かな街路や水無川沿いの道など、
街の中にも走りやすい環境が広がっています。
街の背後には表丹沢の山域が広がり、
塔ノ岳鍋割山へと続くトレイルヘッドへもアクセスすることができます。
また、多くのランナーやサイクリストが集まるヤビツ峠や、
雄大な表丹沢を横目に走る渋沢丘陵など、
シリアスランナーからファンランナーまで幅広いランナーが楽しめる懐の深さも秦野の魅力です。

◎アクセス
新宿駅から小田急線(急行)で秦野駅まで約70分。
駅を出ると、街から山へと続く景色がすぐに広がります。

◎ラン情報
距離目安:15〜25km
累積標高:400〜1200m
路面:ロード+トレイル
見どころ:塔ノ岳ルート、ヤビツ峠、街中の湧水スポット

秦野について

秦野は東京の中心部から電車で約1時間、
表丹沢の山麓に広がる街です。
丘陵と山の稜線に囲まれた盆地に位置し、
豊富な湧水によって古くから
人々の暮らしが支えられてきました。

ランナーにとっては静かな街路や
水無川沿いの道など、
街の中にも走りやすい環境が広がっています。
街の背後には表丹沢の山域が広がり、
塔ノ岳鍋割山へと続くトレイルヘッドへも
アクセスすることができます。
また、多くのランナーや
サイクリストが集まるヤビツ峠や、
雄大な表丹沢を横目に走る渋沢丘陵など、
シリアスランナーからファンランナーまで
幅広いランナーが楽しめる懐の深さも
秦野の魅力です。

◎アクセス
新宿駅から小田急線(急行)で
秦野駅まで約70分。
駅を出ると、街から山へと続く景色が
すぐに広がります。

◎ラン情報
距離目安:15〜25km
累積標高:400〜1200m
路面:ロード+トレイル
見どころ:塔ノ岳ルート、ヤビツ峠、
街中の湧水スポット